ガスの基本講座

ガスはクリーンエネルギー

温室効果ガスを削減するには、環境負荷の小さいクリーンなエネルギーを効率的に利用することが必要です。
ガスは化石燃料の中で、相対的に二酸化炭素排出量が少なく、燃焼時の排出ガスも極めてクリーンなエネルギーです。

エネルギー源別総発熱当炭素排出係数

石炭 A重油 原油 ガソリン 灯油 LPガス 都市ガス
炭素排出係数 24.42 19.32 19.03 18.77 18.71 16.38 13.80
指数 1.28 1.02 1.00 0.99 0.98 0.86 0.73
(出典:総合エネルギー統計(2014年11月改定値))

LPガスと都市ガスの違い

LPガス 都市ガス
原料 プロパン・ブタンを主成分に持つ液化石油ガス(LPG)。LPGは、大半をカタールやアブダビなど中東諸国から輸入しています。 メタン(燃える気体)を主な成分に持つ天然ガス。マレーシアやオーストラリアなど海外から輸入する液化天然ガス(LNG)が大半を占めます。
特徴·性質
  • ①本来は無色・無臭ですが、ガス漏れ時にすぐに気が付くよう臭いをつけてあります。
  • ②マイナス42℃まで冷やすと液体になり、体積が250分の1と小さくなります。
  • ③空気より重いです。
  • ①本来は無色・無臭ですが、ガス漏れ時にすぐに気が付くよう臭いをつけてあります。
  • ②マイナス162℃まで冷やすと液体になり、体積が600分の1と小さくなります。
  • ③空気より軽いです。
供給会社 高松産業株式会社 高松ガス株式会社
用語解説
LPガス(LPG)
液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)といいます。そしてこの頭文字を取ってLPG=LPガスというのです。液化石油ガスという名前の通り、LPガス容器の中は液体が入っています。一般的に呼ばれている「プロパン」はLPガスの主成分です。
LNG
液化天然ガス(Liquefied Natural Gas)といいます。頭文字を取ってLNGです。
メタンを主成分とする天然ガスをー160℃程度に冷却して液化したものをいいます。
マイコンメーター
マイコン(マイクロコンピューター:非常に小さなコンピューター)のついたガスメーターです。
ガスを安心してお使いいただくために警報機能やガスを自動的に止める等の安心機能が付いています。
ガス警報器
万が一、ガスが漏れた場合、危険な濃度になる前に警報を発する機器です。
原料費調整制度
弊社は、ガスの原料として、LNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)を使用していますが、この原料の価格は、為替レートや原油価格の動きによって変動します。原料費調整制度は、こうした原料価格の変動に応じて、柔軟にガス料金を調整しようとする仕組みです。弊社は、この原料費調整制度を導入し、原料価格の変動を適切にガス料金に反映させ、料金の透明性を図っています。
ガスの豆知識
ガス(瓦斯)の語源は?
オランダ語「gas」からの外来語です。
ベルギーの医師で化学者のJ.B van Helmont(ヤン・バブティスタ・ファン・ヘルモント)氏が混沌を意味するギリシャ語「khaos(カオス)」(ラテン語で「chaos」)という語を元にベルギー・フランダース地方の方言で書き記し、それがなまって「ガス」と発音されたのが起源とされています。彼は木炭を燃やした時に出る気体の研究を行い、その気体(今日の二酸化炭素)のことを「気のガス、森のガス gas sylvestre」と呼びました。
日本では街頭にガス灯が使われるようになった明治時代から、広く使われるようになりました。漢字表記の「瓦斯」は音からの当て字で特に意味はないそう。
英国王室も認めた環境に優しいLPガス
エリザベス女王が現在使用されている自動車は在位50周年を記念して献上されたベントレーのロイヤルリムジンです。LPガス協会のHPによると、この自動車はV12気筒の専用LPガスエンジンを搭載し、後部が全て防弾ガラス張りになった特別仕様車だそうです。女王陛下だけではなく。英国王室の公用車は全てLPガス仕様。バッキンガム宮殿内にはLPガス簡易スタンドもあるそうです。
なぜLPガスにこだわるのか、それはヨーロッパ諸国の環境問題に対する意識が非常に高いから。LPガス自動車の排気ガスは、環境に有害な黒煙や二酸化炭素といった物質が少ないのです。
LPガス、日本ではいつから使われているの?
昭和4年8月。霞ヶ関飛行場に降り立った、世界一周旅行中の、初の大型飛行船・ツェッペリン伯号(ドイツ)の推進燃料として使用されていたのがLPガスです。このとき、アメリカ合衆国から取り寄せた補充用のLPガスが、日本に登場した初めてのLPガスだといわれています。
本格的に使われ始めたのは、第二次世界大戦終戦後のことで、LPガスは薪や木炭にかわり、家庭用の燃料の座を占め、現在、世帯数の約57%にあたる、約2800万世帯に燃料として普及し、電気・灯油、都市ガスに並んで家庭部門のエネルギーとして使われています。